
「怖すぎて放送禁止になった回がある」「ウルトラマンが街を壊して終わった」。長い歴史のあるシリーズには、子どもの頃の記憶と裏話が混ざった都市伝説も残っています。
でも、ウルトラマン、ウルトラセブン、ウルトラマンタロウは別の作品です。名前が似た話をまとめてしまうと、本当の収録状況と、噂だけの理由が混ざってしまいます。まず、何の何話を指すのかから確かめましょう。
欠番、特定の商品に未収録、放送局の編成、配信サービスの提供期間は同じではありません。怖い内容だったという印象だけで禁止の理由は決められません。
ウルトラセブン第12話と「欠番」の話
封印された回としてよく挙げられるのは、『ウルトラセブン』第12話「遊星より愛をこめて」です。ここでいうセブンは、初代『ウルトラマン』や『タロウ』とは別の作品です。
円谷プロのBlu-ray BOX公式ストーリー一覧は第11話から第13話へ進んでおり、第12話の紹介がありません。この商品で通常の各話紹介に載っていないことは、実際に確かめられます。


旧稿から維持した関連資料画像は、掲載誌や発行日まで今回照合できていません。経緯を裏付ける出典としては扱いません。
一方、見られなくなった理由については、放射線被害を連想させる怪獣の扱いや出版物の表記をめぐる説明が広く流通しています。ただし、今回の公式商品ページはその経緯を詳しく説明していません。収録の有無と、理由として語られる逸話を分けておきます。
「海外ならどこでも見られる」「ある犯罪者が流通させた」といった付随する話も、今回確認した資料では裏付けられませんでした。録画映像にまつわる怪しい筋書きを、作品の公式情報に付け足すことはしません。
「ノンマルトの使者」は放送禁止の回なのか
『ウルトラセブン』第42話「ノンマルトの使者」は、同じ公式Blu-rayのストーリー一覧に掲載されています。少なくとも、第12話と同じ扱いで一覧から消えている回ではありません。
人類と海底の住人の関係を揺さぶる物語は、「倒した相手が本当に侵略者だったのか」という不安を残します。その後味の重さが、「問題になって見られなくなったのでは」という連想を誘うのでしょう。しかし、重いテーマであることと放送禁止は別の話です。
ウルトラマンタロウにも禁止された回がある?
「タロウの放送禁止」と探す場合も、話数や副題がないと対象を絞れません。今回の調査では、『タロウ』をまとめて放送禁止とする公式情報は確認できませんでした。
例として、講談社の第48話「怪獣ひなまつり」の紹介は、1974年3月1日の放送回として内容を解説しています。変わった展開や怪獣の描写があることだけで、その回が禁止されたとは判断できません。
見ようとした配信先に一話がない場合も、作品名と話数、サービス名、確認日をそろえる必要があります。未配信という状態を、理由の確認なしに「永久に封印された」と読み替えないようにしましょう。
街を破壊して終わる「幻の最終回」の正体

もう一つ有名なのが、ヒーローが街を壊して終わったという記憶です。この話では、別作品『アイアンキング』との取り違えや、終盤を最後まで見ていなかった可能性が語られます。
正規配信の『アイアンキング』第26話「東京大戦争」の紹介にも、東京を破壊するアイアンキングのあらすじがあります。街を壊す場面を覚えていること自体が、架空の記憶とは限らないのです。
ただ、特定の地域で再放送が一話早く打ち切られたという経緯までは、今回、放送局の記録で確認できませんでした。「あの場面は存在する」と「自分の地域でそこで最終回になった」を分けると、記憶の謎を追いやすくなります。
沖縄を重ねる解釈と、作り手の意図

金城哲夫が脚本を担当した「ノンマルトの使者」には、支配する側とされる側を問い直す読み方もあります。沖縄の歴史と重ねる解釈は、作品を考える一つの入口です。
ただし、登場人物を現実の軍隊へ一対一で当てはめたり、確認できない発言を作者の言葉にしたりはできません。公式の各話紹介と本編の描写から出発し、その先を自分の考察として楽しむほうが、物語の曖昧さも残せます。
記憶の怖さも、作品の怖さも分けて楽しむ
欠番のように収録状況を確かめられるものもあれば、別作品の記憶が混じったように見える話もあります。「放送禁止」の一語で片付けず、一話ずつ辿ると、噂の陰に埋もれていた作品そのものの面白さが見えてきます。
見られない回の噂と放送の記録を比べるなら、こちらもどうぞ。
各記事も、噂と確認できる情報を分けてお楽しみください。