呪術廻戦にまつわる都市伝説、その真偽は
2024年9月に完結した「呪術廻戦」。
物語そのものは決着したが、ファンの間では今なお「本当はこうだったのではないか」という都市伝説的な噂が語り継がれている。
都市伝説である以上、以下で紹介する説がすべて正しいという保証はない。
しかし、根拠となる描写や公式の発言をたどっていくと、単なる思いつきでは片付けられない説得力を持つものも少なくない。
今回は、その中でも特に語られることの多い3つの都市伝説を、根拠とあわせて紹介する。
① 五条悟は本当は死んでいない?「生存説」の根拠

呪術廻戦屈指の人気キャラクター・五条悟は、単行本25巻にて両面宿儺との死闘の末に死亡したというのが公式の展開だ。
しかし完結後も、ファンの間では「実は五条は生きているのではないか」という説が根強く語られ続けている。
この説の根拠としてよく挙げられるのが、五条の死後を取り巻く描写の少なさだ。
作中で死亡した七海悟郎については、その後何度も回想シーンで触れられ、婚約者だった津美紀の墓も描かれている。
それに比べて、人気投票で1位を獲得したこともある五条については、盛大な弔いのエピソードがほとんど描かれていない。
さらに注目されているのが、五条の同期である家入硝子の行動だ。
五条が封印された直後から吸い始めていたタバコを、死滅回游の間はストレスからか大量に消費している様子が描かれていたにもかかわらず、最終話の1話前になると、まだ何本も残っているタバコを箱ごとゴミ箱に捨てるという場面がある。
同期全員を失ったにしては、あまりにも吹っ切れた様子だという指摘がファンの間で交わされている。
加えて、単行本18巻の巻末企画では、作者・芥見下々が(当時獄門疆に封印されていた)五条について
「まだ死んでないもんね」とコメントしている。
これは単行本25巻で描かれる本当の死亡を先取りした発言だったとも取れるが、逆に「まだ死んでいない」という言葉そのものが後の展開を暗示する伏線だったのではないか、と深読みするファンもいる。
もっとも、単行本25巻・最終巻ともに五条の死亡は覆っておらず、公式には死亡が確定した状態のままだ。
この説はあくまで、描写の“空白”から生まれた都市伝説の域を出ていない。
② 両面宿儺のモデルは実在のネット怪談だった?
ラスボス・両面宿儺のキャラクター造形について語られる都市伝説の一つに、「モデルは2ちゃんねる(現5ちゃんねる)に投稿された実話怪談ではないか」という説がある。
これは単なる憶測ではなく、実際に元ネタとされる投稿が存在する。
2005年9月、当時の2ちゃんねるの怖い話スレッドに、「リョウメンスクナ」と呼ばれる異形のミイラにまつわる話が投稿された。
岩手県の古寺で発見されたという2つの頭・4本の腕を持つミイラを開封した人物が、その後謎の心筋梗塞で死亡したり精神を病んだりしたという内容で、当時から有名な洒落怖(しゃれこわ)系都市伝説として知られている。

呪術廻戦の両面宿儺も、二つの顔と四本の腕を持つ異形の存在として描かれており、その姿の類似性から「作者はこの怪談を意識していたのではないか」という説がファンの間で語られてきた。
作者本人がこの怪談を直接の元ネタとして明言したことはないため、あくまで偶然の一致という可能性も残るが、名前まで一致している点は単なる偶然にしては出来すぎているという見方も根強い。
③ 作者・芥見下々は実は女性なのでは?という説
呪術廻戦のヒットに伴い、SNS上で度々話題になったのが「作者・芥見下々は女性なのではないか」という都市伝説だ。
この説は単行本の発行部数が伸びるにつれて拡散され、大手メディアでも取り上げられるほど広まった噂だった。

根拠とされたのは、繊細な心理描写や、男性キャラクター同士の関係性の描き方が、少女漫画的な感性に近いという読者の印象だった。
加えて、公の場に姿を見せず素性を明かさないスタイルを貫いていたことも、憶測を後押しする要因になったとみられる。
結論から言えば、この説は誤りだ。
プロフィールでは芥見下々は男性であることが明らかにされており、岩手県出身、仙台育ちという経歴も判明している。
それでも一時期これほど広く語られたこと自体が、作品のキャラクター造形の深さを物語る都市伝説として、今も語り草になっている。
都市伝説はなぜ生まれ、なぜ語り継がれるのか
これら3つの説に共通するのは、いずれも確定した事実の“隙間”から生まれた噂だという点だ。
五条の死後の描写の少なさ、キャラクターデザインの類似性、そして素性を明かさない作者のスタイル——こうした小さな違和感や空白を、読者が想像力で埋めようとした結果、都市伝説として形になっていった。
正しいかどうかは別として、こうした噂が生まれること自体が、それだけ多くの読者が作品を深く読み込み、語り合ってきた証でもある。
まとめ:噂も含めて楽しむのが呪術廻戦の面白さ
今回紹介した3つの都市伝説は、いずれも公式に断定されたものではなく、根拠の強さもさまざまだ。
しかし、こうした「もしかしたら」という余白があるからこそ、完結から時間が経った今も呪術廻戦は語り継がれ続けている。
都市伝説はあくまで都市伝説として、事実とは切り分けたうえで楽しむのが正しい向き合い方だろう。
次に読み返すときは、こうした噂も頭の片隅に置きながら、自分なりの解釈を探してみるのも面白いかもしれない。






