紅白歌合戦で生まれた想定外の都市伝説
年末に恒例のNHK紅白歌合戦は、電話帳ほどもの分厚い台本に忠実に生番組が進行することで有名です。
出演するアナウンサーや司会に選ばれた芸能人達は、一字一句違えずに暗記した台本の台詞を言わなければならず、他の歌手たちにも厳しいリハーサルが課されます。
どんな大物芸人でもアドリブを入れたら叱られるというほど、スタッフ達は真剣に公共放送の生番組を時間内に果たそうと構えているわけです。
そんな厳格さが、数々の都市伝説を生んでいることは言うまでもないでしょう。
●テトラポッドもクレパスもNG
NHKでは、登録商標された固有名詞を挙げることが禁止されているようです。
様々なNHK番組内でも、固有名詞の代わりにまどろっこしい表現でアナウンスをする様子が見られます。
スポンサーリンク
何と、この固有名詞NGが、紅白歌合戦の出場者の歌詞にまで適用されるという都市伝説があります。
例えば、かぐや姫は「24色のクレパス」を「クレヨン」に変えて歌ってくれないかと言われて出場を辞退。
小沢健二は、「プラダの靴」を「きれいな靴」に変えて出演。
aikoも「テトラポッド」を歌詞に使っているはずなのにおとがめなし?かと思いきや、aikoは「テトラポット」と歌っていらようでスルーしていたのでした。
●6人揃っての悲願を別の形でかなえたももクロ
週末限定アイドルとして人気のももいろクローバーは、2012年の第63回NHK紅白歌合戦にて初出場の権利を射止めました。
歓喜!のはずのももクロが複雑な心境でもあったのには、ワケがあります。
それは、結成当初から「6人で紅白出場を」と一緒に頑張ってきたメンバーのうち、早見あかりが前年に脱退してしまったため。
しかし残った5人のメンバーは、こんな感動の都市伝説を作り上げたのです。
番組放送当日、メドレーの2曲目でメジャーデビュー曲の「行くぜっ!怪盗少女」を披露した彼女たち。メンバーの衣装胸元には、青いライトが仕込まれていました。
スポンサーリンク
そして、歌の途中で1人ずつ順にライトを点灯させたのです。
実は、青色は脱退した早見のパーソナルカラー。
これで6人一緒に紅白歌合戦の舞台に立ったと示したわけですが、何と曲のラストでおこなったメンバー紹介まで6人の時代にリリースしたバージョン、ステージでのフォーメーションまで6人いると想定した立ち位置を取った徹底ぶりには、ファンでなくても脱帽しそうな都市伝説です。
●最初で最後?のアンコール
とにかく時間どおりに進行することが厳格に守られる紅白歌合戦では、アンコールなどあり得ません。
アンコールをするとしても、あらかじめ時間枠に組み込まれていたはず。
ところが、第35回の紅白では都市伝説として受け継がれる予想外のアンコールがありました。
この年は、引退などするはずがないと大人から子供まで思っていた演歌歌手の都はるみが紅白を最後に引退するという話題で持ちきりでした。
当然、大トリを務めたのは都はるみ。
本番では「夫婦坂」を熱唱したのですが、歌い終わった後も観客席からは拍手が鳴り止まず。
そこで、当時NHKのアナウンサーだった司会の鈴木健二アナウンサーが提案します。
「私に1分間、時間をください。」
都はるみは事前にアンコールを断っていたのですが、鈴木アナウンサーが番組中にアドリブで交渉。
すでに泣き崩れていた都はるみが了承し、「好きになった人」を泣きながら歌い上げたのです。
スポンサーリンク