ゲド戦記解説!クモの正体は?性別は男?
2006年に劇場公開された『ゲド戦記』。
スタジオジブリ作品としては低評価の烙印を押されることの多い本作ですが、深みのある重厚な世界観にファンも多いです。
『ゲド戦記』では「クモ」と呼ばれる謎の多い、不気味で怖いキャラクターが登場します。
クモとは一体何者なのか、『ゲド戦記』の世界観も交えながらお伝えしたいと思います。
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クモは不老不死?ラスボス?
『ゲド戦記』で登場するクモとはどんなキャラクターなのでしょうか?
早い話が、物語の目的、倒すべき相手、いわゆるラスボス的扱いといえばわかりやすいでしょう。
そもそもの『ゲド戦記』という映画の大まかなシナリオですが、世界の均衡が崩れたことにより人間や竜の思考や行動が乱され、本来あった調和が無くなってしまっている。
その原因を作ったのは生死を分かつタブーの扉を開いた魔法使いのクモであり、じゃあそのクモをやっつけて世界の均衡を取り戻そう、というようなものがざっくりとしたストーリーです、おそらく。
『ゲド戦記』の設定やストーリーは抽象的なものが多く、難しくとっつきにくい印象からどうも好きになれない人も多いようですね。
反対にそういった作品の深みのある部分を詳しく知ることができれば、よりこの作品を好きになることができるのではないでしょうか。
気になるクモの性別は?
クモが生死を分かつ扉を開いた魔法使いであるというところまではお伝えしました。
ではクモはなぜそのような行動をしたのでしょうか?
その理由は、永遠の命を得るため。
人間なら誰でも一度は考えそうな自身の欲望を満たすためです。
死を恐れるがゆえにクモは禁忌に手を出し、世界の均衡が崩れることもいとわず、欲望に手を染めたのです。
ある意味、作品中最も人間らしい性質の持ち主ではないでしょうか?
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他にクモというキャラクターの気になるところとして、その性別があります。
長い髪、妖艶な雰囲気、化粧らしきものや声の質からして、女性なのではというのが一般的な印象です。
映画内では中性的に描かれているクモですが、設定上は実は男性となっています。
しかし永遠の命を、若さを欲しているクモという設定を強調しようとすると、若々しい美しさを欲する女性というイメージがしっくりくるのかもしれません。
人の欲望の象徴として存在するクモ。
男女どちらともとれる容姿は、人が想い描く願望を意味しています。
クモが吐き捨てるゲド戦記に込められたメッセージ
物語の終盤、テルーという少女が竜となり、クモを滅します。
「かつて人と竜はひとつだった。」というキャッチフレーズにある通り、テルーの先祖は元々竜だったのです。
クモは悪しき者として滅ぼされます。
しかしクモは悪役らしい捨て台詞を残しています。
「均衡は既に我ら人間の手によって破壊されつつある」
世界の均衡が破れたのは、自分一人の罪ではなく人間という種族そのものの罪であると。
つまり人が人である以上、完全な形で世界が修復されることはないということですね。
このようなことがこの作品のメッセージの一つになっているようです。
確かに、『となりのトトロ』などと比べたら難しい作品ですね。
なんだかRPG作品のテーマのような感じもしますが。
よく言われることですが、物語ではヒーローよりも悪役のほうが作りやすいといわれます。
ヒーローとは理想像、こうあるべきという枠にはめ込まれた存在であり、最後まで信念を貫き通さなくてはいけないのですね。
逆にそのヒーロー像を180度ひっくり返して描く手法もありますが。
対して悪役は、いくらでも人に嫌われていい存在なわけです。
実はヒーローよりもとても人間らしい、身近な存在なのですね。
最後にあんなグロテスクになるクモなんて身近じゃないと思うかもしれませんが、世の中を見渡してみると人間の心なんて案外あんなものですよ。
と、なんとなく悪役を多少プッシュしてみたところで終わりにしようと思います。
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